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手術・放射線治療

「真性ケロイド」の場合、手術単独ではほぼ100%再発しますので、術後の放射線治療は必須です。「肥厚性瘢痕(瘢痕ケロイド)」の場合ほとんどが手術単独で治療が可能で放射線治療は原則として不要です。
どちらの要素が強いのか、判別が困難なケースも少なくないので専門医に受診しましょう。

手術について

肥厚した部分を切除し、引きつれを取ることが手術の主な目的です。引きつれを取る為に形成外科ではZ形成術という方法を用います。小範囲の場合は局所麻酔下に通院で手術が可能です。広範囲で数の多い場合や小児の場合は全身麻酔下に行います。
抜糸は概ね術後1週間目に行います。

術後の固定について

ケロイドは手術後のきれいな状態がそのまま持続するわけではありません。傷は「赤み」がある間は変化する性質を持っています。そのため「術後の固定」は大変重要で、結果の半分を決めるといっても過言ではありません。
特に関節や顔など動きの激しい場所は厳重な術後固定が必要です。固定期間は概ね術後3ヶ月間です。

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テープによる減張固定

傷の幅が広がらないようにする目的で皮フを寄せるようにサージカルテープで固定します。

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伸展圧迫固定

腹部の帝王切開後のケロイドの術後のケロイドの術後によく用いる方法です。フィクストンという少し固めのスポンジで縦方向へ伸縮させながら圧迫固定すると、引き連れの再発を予防することができます。

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コルセットによる固定

関節周囲のケロイドは動きによって引き連れの再発が生じますので、コルセットで関節の運動を制限する必要があります。

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シートによる固定

各種接着シートを傷の上に貼ることで、傷の安静が得られ、赤みや硬さが速やかに消退します。口唇や瞼周囲など分厚いスポンジが貼れない部位の固定によく用いる方法です。

固定の方法

放射線治療について

シートによる固定

ケロイドの放射線治療は術後1週間以内に開始します。表面から約1cm程度の深さにのみ効果がある特殊な放射線で、内臓等深部の臓器にはほとんど影響がないものです。
現在、標準的には総線量20Gyを4~5回に分割して照射します。

※「真性ケロイド」の場合は手術・術後の固定に加え、この放射線治療が必須ですが、「肥厚性瘢痕(瘢痕)ケロイド」の場合は原則手術と術後の固定のみで、放射線治療は不要です。

「放射線科医の立場から」についてはこちら

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